毎年やってくる台風 備えておくべきものは何?
もう8月も終わりに近づき、秋の気配が感じられるようになってきました。しかし、私たち日本人にとって、この時期はある意味で年間で最も緊張する季節でもあります。そう、台風の季節の到来です。
毎年のように日本列島に接近・上陸する台風。その強大な力は、時として私たちの生活に甚大な被害をもたらします。昨年も各地で大きな被害が出ましたね。そんな台風に対して、私たちにできる最大の対策は「備え」です。
今回は、長年の経験と最新の防災情報を踏まえて、台風に備えて準備しておくべきものについて、私なりの考えをまとめてみました。これから台風シーズンを迎えるにあたり、皆さんの防災対策の参考になれば幸いです。
まずは家の中で準備すべきもの
台風対策の基本は、やはり「自宅での備え」です。外出自粛を求められることも多い台風時、家の中で安全に過ごすための準備が何より大切です。
1. 非常食と飲料水
まず絶対に欠かせないのが、食料と水の備蓄です。最低でも3日分、できれば1週間分を目安に準備しておきましょう。
非常食は、調理不要で長期保存可能なものを選びます。レトルト食品、缶詰、乾パンなどが定番ですね。最近は美味しい非常食も増えているので、普段から少しずつ試して、自分に合ったものを見つけておくのもいいでしょう。
飲料水は1人1日3リットルが目安です。ペットボトルでの備蓄が一般的ですが、最近は長期保存可能な紙パック入りの水も増えています。場所をとらないのでおすすめです。
2. 懐中電灯とラジオ
停電に備えて、懐中電灯は必須アイテムです。最近はLEDタイプが主流で、明るくて電池の持ちもいいですね。予備の電池も忘れずに。
ラジオは情報収集の要です。電池式のものを用意しておきましょう。最近はスマートフォンでラジオが聴けるものもありますが、バッテリー切れの心配があるので、やはり従来型のラジオは持っておいて損はありません。
3. モバイルバッテリー
スマートフォンの充電切れは、現代社会において致命的です。大容量のモバイルバッテリーを用意しておくと安心です。普段から充電しておくことを忘れずに。
4. 救急箱
怪我や病気に備えて、救急箱の中身を確認しておきましょう。消毒液、絆創膏、包帯、常備薬などを揃えておきます。持病のある方は、処方薬の予備も忘れずに。
5. 衛生用品
トイレットペーパー、ウェットティッシュ、マスクなどの衛生用品も多めに用意しておきましょう。特に断水時に重宝するのが、携帯トイレです。水を使わずに済むので、ぜひ準備しておきたいものです。
外出時の備えも忘れずに
家の中での備えも大切ですが、外出先で台風に遭遇することもあります。そんな時のための備えも必要です。
1. 折りたたみ傘と雨具
丈夫な折りたたみ傘は、カバンに1つ忍ばせておくと安心です。ただし、台風時の強風下では傘は危険な場合もあるので、レインコートも用意しておくといいでしょう。
2. 防水ポーチ
スマートフォンや財布など、大切なものを守るための防水ポーチは必須アイテムです。100円ショップでも手に入るので、複数用意しておくのがおすすめです。
3. 携帯食と水
外出先で帰宅困難になることも考えられます。コンパクトな非常食と水を持ち歩く習慣をつけておくと安心です。エネルギーバーやゼリー飲料など、かさばらないものがおすすめです。
家の外回りの対策
台風対策は家の中だけでなく、外回りの備えも重要です。事前にしっかりチェックしておきましょう。
1. 雨どいの清掃
雨どいに落ち葉や土がたまっていると、大雨時に排水不良を起こし、最悪の場合は家の中に雨水が逆流してしまいます。定期的な清掃を心がけましょう。
2. 窓ガラスの補強
強風で窓ガラスが割れると非常に危険です。飛散防止フィルムを貼っておくと安心です。突発的な台風接近に備えて、養生テープも用意しておくといいでしょう。
3. ベランダの整理
プランターや物干し竿など、強風で飛ばされそうなものは室内に取り込むか、しっかり固定します。ベランダの排水口も掃除しておきましょう。
4. 車の避難
可能であれば、車を安全な場所に移動させます。難しい場合は、ブルーシートなどで覆い、飛来物から守ることを考えましょう。
デジタル時代の新たな備え
最近の台風対策では、デジタル技術を活用した新しい備えも重要になってきています。
1. 防災アプリの活用
スマートフォンの防災アプリを入れておくと、リアルタイムの気象情報や避難情報を得られます。自治体が提供しているアプリもあるので、チェックしてみてください。
2. クラウドバックアップ
大切な写真やデータは、クラウドにバックアップしておくことをおすすめします。もしもの時に、思い出や重要書類を失わずに済みます。
3. オンライン地図の確認
お住まいの地域のハザードマップを、オンラインで確認しておきましょう。自分の家がどのようなリスクにさらされているかを知ることは、適切な避難行動につながります。
4. SNSの活用
災害時、SNSは重要な情報源になります。自治体や気象庁の公式アカウントをフォローしておくと、いち早く情報を得られます。
心の備えも忘れずに
物理的な備えと同じくらい大切なのが、心の備えです。
1. 避難のタイミングを考える
「逃げ遅れ」による被害が後を絶ちません。自分の身は自分で守るという意識を持ち、早めの避難を心がけましょう。特に、高齢者や小さな子供がいる家庭は、より早めの行動が必要です。
2. 家族との連絡方法を確認
災害時は電話がつながりにくくなります。家族との連絡方法を事前に決めておきましょう。災害用伝言ダイヤル(171)の使い方も確認しておくといいですね。
3. コミュニティとのつながり
日頃から近所付き合いを大切にしましょう。いざという時、助け合えるのは身近な人たちです。地域の防災訓練にも積極的に参加するといいでしょう。
4. 定期的な防災グッズのチェック
せっかく用意した防災グッズも、放っておくと気がつけば使えなくなっていることも。定期的にチェックし、必要に応じて新しいものと交換しましょう。賞味期限切れの非常食を普段の食事で消費し、新しいものを補充するローリングストック法もおすすめです。
まとめ 備えあれば憂いなし
ここまで、台風への備えについて私なりの考えをお話ししてきました。どれも特別なことではありませんが、これらの備えを日頃からしっかりと行っておくことで、いざという時の被害を最小限に抑えることができるはずです。
台風大国日本に住む私たちにとって、台風はある意味で「当たり前」の自然現象です。だからこそ、その脅威を過小評価してしまいがちです。しかし、近年の台風は大型化・強力化の傾向にあり、これまでの経験則が通用しないケースも増えています。
「備えあれば憂いなし」という言葉がありますが、まさに台風対策はこの言葉そのものだと思います。今回お話しした内容を参考に、ぜひ皆さんも自分や家族の身を守るための備えを見直してみてください。
最後に、台風接近時は何よりも自分の身の安全を第一に考えて行動してください。早めの避難、不要不急の外出を控えるなど、命を守る行動を心がけましょう。
これから本格的な台風シーズンを迎えます。皆さんが無事に乗り越えられることを心から願っています。